
売掛金を回収する場合、できるだけ自力回収する、自分たちの力で解決するというのが望ましいと思います。裁判にまでもつれ込んだ場合、そこまで支払う意思が無い、または、支払うことが出来ないという状況だからです。
支払う意思が無いという場合には、裁判に勝利し国の強制執行となれば、何らかの回収が出来ると思いますが、支払うことができない状況に陥っているところに対して、裁判を起こしても、裁判費用や労力がかかるだけで、意味の無いものとなってしまいます。
まずは、任意での交渉に試みましょう。債務者に直接会って、話し合いを行う。また電話で、メールで、色々な方法で交渉してみることです。支払いたいという意思があるけれど、現実に難しいという場合には、支払いの期間を決めて待つということもあると思いますし、猶予をつけたことで担保をつける、また一括が無理であれば、分割にするという配慮をしてもいいと思います。払ってもらえないよりはいいでしょう。
ただ、こういった場合でも、口約束はトラブルの元になりますから、しっかり契約書を作成しておくことが大切です。額が大きいという場合には、公正証書にしておくと安心です。
売掛金回収は時効が2年です。あっという間に時効の期限が来てしまいます。時効が迫ってくると、何かと面倒なことになりますし、裁判せざるを得ない状況にもなりかねません。内容証明は強制力のあるものではないのですが、請求内容を相手方に確実に伝達したことの証明になるものですから、相手の心理的効果を期待してということになります。
内容証明が送られてきたということで、債務者は何とかしなくちゃという気持ちになりますし、支払いの日までに何とか少しでもお金を工面しようと考えるものです。
話し合いや電話、メールなどは、出来るだけ丁寧な口調で、相手が逃げるような脅し文句などを使わずに行いましょう。話し合いの時間を持つ、電話でこちらの意思を伝えるということが出来るだけでも、効果はあると思います。相手がびっくりしてしまうような態度をとったら、逃げ隠れして、話も出来ずに裁判になった、ということも多いのです。
裁判はあくまでも最終手段。もう何も打つ手がない、相手に支払い意思が全く無い、という場合に行う最終的な法的手段だと考えておきましょう。